【本質課題選定】と【ソリューション発想】の同時思考

このサイトでは、

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<strong>

【組織・事業の戦略設計】

【戦術としてのクリエーティブプランニング】

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を別次元で考えるのではなく、
その両方をほぼ同時に発想できる頭を鍛えていきたいと思っています。

 


「重要性の高い問題の選定+課題設計」

「課題解決度レベルの高いソリューション発想」

はどちらか一方が求められるというわけではなく、
その両方が揃って初めて高い成果を出すことができます。

 


しかし、

問題の分析や課題の設計に重心を置きすぎた戦略決定が行われた後、
結局優れたソリューションを出せなかったという事例や、

色気のあるアイデアを発想することばかりが意識されて話が進み、
問題・課題の重要性の比較を怠った企画がなされたという事例が

世の中には多くあるのではと感じています。

 

 


つまり、

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「①なぜ無数にある課題の中でその課題を解くべきかという根拠の強さ」
・・・課題が完全解決された際のインパクト、課題解決の緊急性など

「②なぜ無数にある施策の中でその施策を打つべきかという根拠の強さ」
・・・課題解決度、コスト、成功確度など
</strong>

としたとき、優れたストーリーは①×②の掛け算によって決まるため

 

 

①がとても強力であっても、
②で「限られたリソースではまともなアイデアを出せないことが明らかなケース」や、

②がパーフェクトでも、
①が「本質的にはどうでもよい課題を解く形になっているケース」になるくらいなら、

①も②も90点という組み合わせを発想し、選択したほうが当然成果は高くなります。

 

例えば、
英語に触れたことがなくアルファベットすら知らない人が、
1年間でTOEIC900点をとる方法を考えます。

「現状の英語力からゴールまでの経路を、脳科学的知見を基に考えると
英単語を1日10時間、リスニングを1日9時間、英作文を1日8時間勉強できるよう、
時間確保するのが課題だ」

と考えると、確かに「具体的手段があるなら」優れた分析による課題設計なのかもしれませんが、
1日を純粋に27時間に延長する課題設定ではアイデアはまず出てきません。


一方で「アメリカ人の彼女を作って365日毎日デートした後、試験に臨む」
というアイデアから発想すると、何となく面白さがあるものの、

「英語に対する興味を持つという課題」「英会話への抵抗をなくすという課題」

には有効かもしれませんが、
アルファベットや長文が読めるようになるのか、
そもそもビジネス英単語を理解できるようになるのかに疑問が残ります。

そのため英語に興味を持つという課題が完全解決されても、
TOEIC900点という目標に対するインパクトが小さい可能性があります。

 

・・・ここまで極端ではないものの、
こういった「課題偏向発想」「アイデア偏向発想」はビジネスでは頻繁に発生します。

 

だからこそ、課題設計と施策アイデアのクオリティーを両立させるべく、
両者を同時に発想をしていけるよう、鍛えてゆくべきだと思っています。

 

・・・・・・・とはいっても、

一般的にチームで1から戦略ストーリーを考える際には、

戦略の前提条件の確認
→現状分析
→攻めどころの発見
→課題設定
→アイデアの発散
→アイデアの比較検討
→リスクの検証
→・・・

という一方向的な思考ステップがとられます。


また逆に面白いアイデア好きな広告会社などでは

ひたすらブレスト
→色のあるアイデアを選ぶ
→そのアイデアをベースに課題を決め、企画書を作る

という流れになることも多いです。


これはチームメンバーの思考ステップを合わせ、
議論の認識共有性を確保するためであり、
チームの思考回路を統一する上では非常に合理的です。

私はその点に異議を唱えるつもりはありません。

けれども「チームで進めること」を優先しすぎて、
無数にある「課題×ソリューション」セットの中から、
よりクオリティの高いセットに辿り着けないのであれば問題です。

 

だからこそ、最初のミーティングの前に個人で考える時間をとり、
「課題⇔アイデア」の両方向発想から大枠の戦略・戦術ストーリーを考え、
チームを引っ張ってゆく人が必要ではないかと考えています。